映画『スラムドッグ$ミリオネア』公式サイト 大ヒット上映中!!
正直なところ、アカデミー賞8部門穫ったあたりでもそれほど食指が伸びていた作品ではなかったんですが、スマステでの吾郎ちゃん評やその他諸々の激評とかメイキングでちょっとずつ興味が強まって観に行きました。
いや〜…面白かったです!(爆)。
警察の取り調べ、ミリオネアの番組、主人公ジャマールの生い立ちそれぞれが交錯しながらストーリーが進んでいく訳ですが、それぞれの場面転換がキチンと繋がっていく感じがじつに巧みにテンポよく演出されていて、思いのほか混乱せずに観ていくことが出来ました。
強烈な格差社会と宗教対立、残酷さと無邪気さ、狡猾さと正直さ、混沌とした不条理の中にある強烈な生命のエネルギーを感じる映画だと思います。
インドに厳然と残るカーストの存在や、実際にはもっと激烈な格差の現状など表現されていない部分もありますが、この作品はリアリズムを追求しながらもドキュメンタリーではなくエンターテイメント映画なので、そこら辺のさじ加減はうまく表現されていたと思います。
ある意味、これは“おとぎ話”なわけで。
個人的には子ども達の逞しさがすごく印象に残りました。生きることに純粋に貪欲で強かに生き抜いていく姿は圧倒されます。まぁ、観光客相手に狡賢く立ち回る彼らを見ると実際に観光でインドに行っても関わりたくはないですけど(爆)。
主人公ジャマールの直向きな純粋さと兄サリームの狡猾な貪欲さが好対照で面白かったです。サリームのほうのラストに向かっての心情がもう少し丁寧に見られたら良かったなとも思いますが、ストーリーのテンポとしてはあんな感じで丁度良かったのかな。
ラストがどうなるかまったく予備知識なしで観たので思いのほかドキドキしました(笑)。ミリオネアの中でのライフライン“テレフォン”のあたりなんかけっこう心臓バクバクでしたもん(爆)。
あと音楽が良かったですね。音楽はインドの有名な音楽家の方だそうですが、日本でも昔話題になった『ムトゥ躍るマハラジャ』の音楽を担当されていたそうで。過度すぎずでもインドらしさが出ていて好きでした。
エンディングの“ボリウッド”的群舞シーンも個人的には大好きです^^。
とにもかくにも、様々なエネルギーに圧倒される疾走感溢れた作品で、観て損はない映画だと思います。