パコと魔法の絵本
“下妻”“嫌われ松子”と観てきて、個人的にかなり好みな中島作品。
となればこれも劇場でってことで、ちょっと前ですがなんとか時間をやりくりして劇場まで観に行きました。いろいろ考えていたら書くのが遅くなってしまった(結局まとまってないけど^^;)。
いやぁ、相変わらずの“中島ワールド”炸裂でした。
いきなりライオンキングかよ、みたいな雄叫びとフラダンス(タヒチアンダンス?)で始まるオープニング(笑)。
賑やかで煌びやかな極彩色の世界に、それに負けないかなり濃いキャラクターたち(笑)。でもそれぞれのキャラクターが持っている内面の弱さや葛藤を、荒っぽいけど繊細で温かな目線で描いていると思いました。
舞台のお芝居が原作なのですが、それをうまく映画で表現している感じでした。セットのつくりも舞台を意識したつくりになっていたし(特にメイン舞台になる病院の待合室とか)、キャラクターの芝居も舞台っぽかったですしね。私は好きですけど。
その舞台っぽさと、パコの見ている絵本の世界を表現しているCGとが妙にマッチしていて良かったです。ストーリーも基本はシンプルで最後までテンポ良く進んでいったので、濃いながらもあまりくどさは感じませんでした。
木村カエラさんの主題歌も可愛くて良かったですけど、途中ワンシーン(場面転換?)カエラさんが歌っているシーン(しかもアップ)はもう少し短くても良かったかな。“嫌われ松子”の冒頭もそうだったし、中島監督の好みなんだろか。ノコギリ演奏家のサキタハジメさんがメインに座って、包帯グルグルの楽団が演奏するシーンは印象的でした。
とにかく主人公パコを演じたアヤカ・ウィルソンちゃんがカワイイのなんの(笑)。作品のファンタジーチックな世界にピッタリはまってました。演技初体験とのことでしたが、ヘタに芝居くさいよりもかえって自然体でのびのびとしていて良かったと思います。
“クソじじい”大貫役の役所さんはさすがに迫力でした。メイクに3時間…努力の甲斐がありましたね(笑)。目力もあるし、声も大迫力でした。泣きのシーンも上手かったなぁ。
他の出演者もそれぞれ良かったですけど(ヤクザ役の山内圭哉さんの絶妙のツッコミがナイスです^^)、一番のお気に入りは木之元さん役の國村準さん!おかま役は初めてらしいんですけど、妙に違和感がないんですよ(爆)。木之元さんのセリフ「男はコーヒー、女はミルク。混ぜて混ざってオカマはカフェオレ」が最高です!後半のお芝居のシーンでガマ王子のお母さんのガマ姫を演じますがこれがまた最高です(笑)。
話は賑やかに進み、そしてラストに泣かされました。いや、思いのほか泣かされました^^;。
ラストはまた上手くまとめてあったので、消化不良になることもなく余韻に浸りつつ見終わったので良かったと思います。
やっぱ中島作品好きです私(笑)。